ベアリング交換

モータのベアリング交換って、結構大変です。

 

モータを全部分解しなければできないですし。1台に通常2個(負荷側/反負荷側)ついていますが、2つとも変えると1時間くらいはかかります。特に客先に出張してやる場合は。

 

ベアリングヒータを使って90℃くらいまであっためて、内輪を膨張させて軸にはめ、冷却して締まりばめにしますが、このあいだ客先で軸にはめる過程で途中で止まってしまい、同じ現場に居たメンテナンス会社さんにパイプをかりて、内輪を叩いて入れ込み事なきを得ましたが。余分な軸受がなかったので、かなり焦りました。

 

ベアリングの交換周期は、1800min-1の回転速度なら2万時間程度と言われています。1年が8760時間なので、24時間回し続けたら2年ちょっとで交換が必要となります。

 

ベアリングメーカに恨みがあるわけではないですが、磁石で回転子を支持するベアリングレスモータがとある大学のとある研究室ですでに開発されています。これを実用(量産)段階まで作りこめれば、モータの歴史も進化すると思ったのですが、うちの会社の設計は「コストがかかる」として、研究室で直接教授に話を聞いたにもかかわらず、採用を見送ったそうです。

 

ベアリング交換の大変さを考えると、個人的には採用してもよい気がします。ベアリングは故障しやすい部品でもあるため、故障リスクが大幅に減るメリットは大きいと思ったのですが。