分散の加法性

[例題]

・焼き菓子の製造。

・お菓子をランダムに6個、1箱に詰めて出荷。

・お菓子1個はN₁(50.00g,1.5²g)の正規分布

・箱はN₂(5.00g,0.50²g)の正規分布

 

①6個箱入りお菓子の総重量の母平均、母標準偏差は。

・母平均=50.00×6+5.00=305.00g

・母標準偏差の前に母分散を求める

 <分散の加法性より右計算で求められる> σ²=1.5²×6+0.5²=13.5+0.25=13.75

よって母標準偏差は√σ²=√13.75=3.71(g)

 

②箱入りお菓子の総重量下限値は295.00gである。不適合品の出る確率は。

求める確率Pは、u=(295-305)/3.71で標準化すると、

u=-2.695となる。片側の正規分布表でu=Kp=2.695の時のPは、0.0035

不適合品の出る確率P=0.35(%)

 

③不適合品の出る確率を0.1%以下にするには、お菓子1個の重量の母平均を何gにすればよいか。(ただしお菓子の重量の母標準偏差と、箱の母平均、母標準偏差は変わらないものとする)

 

PからKpを求める。正規分布表より、P=0.001の時のKpの値は、3.09である

今回は、標準正規分布のグラフの右側(マイナス側)なので、Kp→u=-3.09とおく

よって、(295-μ)/3.71=‐3.09  これをμについて解くと、

295-μ=3.71×-3.09

-μ=-295-11.4639

μ=306.464

 

箱の重量を引いてお菓子1個当たりの母平均を求める。

(306.464-5)/6=50.244g

 

お菓子1個当たりの母平均を50.244g以上にすればいい。

 

出典:QC検定受験テキスト2級(日科技連)P178~179