母分散が未知の場合の、サンプルの材料強度の変化有無についての推定

[問題]

あるラインの金属材料の強度の母平均は100.0であった。特性向上を目的に製造条件の変更を行い、サンプル10個の強度を測定しその平均は101.6であった。

 

この変更によって材料強度が高くなったかどうかを有意水準5%で検定せよ。

 

 [回答] 

μ₀=100,サンプル数n=10, サンプルの材料強度の平均X=101.6

サンプルの平方和S=116.4

サンプルの分散=S/(n-1)=116.4/9=12.93

 

 

[仮説の設定]

H₀:帰無仮説 μ=μ₀(μ₀=100.0)

H₁:対立仮説 μ>μ₀

有意水準と棄却域の設定]

α=0.05

R:t₀≧t(Φ,2α)=t(9,0.10)=1.833

[検定統計量の計算]

X=101.6

t₀=(X-μ₀)/√12.93/10=(101.6-100)/√1.293=1.6/1.137=1.407

[判定]

t₀=1.407<t(9,0.10)=1.833

よって、有意水準5%で有意でない(材料強度に変化なし)

 

[母平均の推定]

点推定

X=101.6

区間推定(信頼度95%)

X±t(9,0.05)×√V/n=101.6±2.262×1.137=101.6±2.572=104.17,99.03

 

出典:QC検定受験テキスト2級(日科技連)P190~192