火事
昨日の夜中に、沖縄の世界遺産である、首里城が火事になりました。
その損失は、文化的にも経済的にも測りしれないと思います。関係する人たちの苦痛は察するにあまりあります。
火事と言えば、思い出す小話が。
僕は、20年前までヘビースモーカーでした。どれくらい吸っていたかというと、1日に1箱~2箱くらい。当時は今ほど喫煙者に厳しい世相ではありませんでしたが、ある日を境にきっぱりやめれたんです。
そのきっかけは、実は火事だったのです。
当時僕はまだ東京にいて、ある日職場に実家から電話がかかってきました。
聞くと、
「家が火事になった」
とのこと。
慌てて実家に帰ると、あられもない実家の姿と対面しました。2階が全焼し、1階も半分は消火の時の放水で水浸しになっていました。
運がよかったのは、隣接するご近所に延焼しなかったことと、家族のだれも被災しなかったことです。
消防の検証では、どうやらたばこの火が原因かもしれないが、特定に至らないとのこと。ただ、田舎なのでうわさがすぐ広まります。
「たばこが原因らしいよ…」
その後僕は実家に帰ってきましたが、周囲の目が気になります。
「たばこで火事出したくせに、何吸ってんだ」
そう思われている気がして、最初はこそこそ吸っていましたが、ある日を境に吸うことができなくなりました。
最初の1週間は吸いたいという気持ちが残っていてつらかったですが、それ以降は吸いたいとも思わなくなりました。
首里城とは比較になりませんが、僕にとっては生家という大きなものを火事で失いました。その一方で禁煙に成功し健康を手に入れたことは、今振り返るとかえってラッキーだったかもしれません。