今週の麒麟がくる

松永久秀ってこんな立派な人物でしたっけ?確か従来の情報では狡猾な人物として描かれていたイメージだったのですが、今回は違いました。

 

敵対勢力を次々と滅ぼしていった信長の勢力下において、武士として信長の治世に疑問を感じ、光秀にその疑問を投げかけるとともに、自分自身と称した名茶器を光秀に預けました。茶器を持つものには責任が生じる。信長ではなく光秀に責任を負わせる設定です。ああこういう描き方なんだとも思ったし、実際そうだったのかもしれないな、と思わされました。

 

当時足利将軍と同レベルの官位を与えられていた信長に対し、大和という安土のすぐ近くで反乱すれば、たとえ上杉や毛利の後押しがあってもすぐに大軍を差し向けられて負けることは覚悟の上であったはずです。命が惜しいとか、私欲では反乱できないでしょう。

 

結局久秀は自害し、光秀のもとに名茶器が渡ったときに光秀も気づきます。これで自分は信長との関係を明確にするしかなくなる。信長を是とするか否か。ライバルの秀吉は信長の命ですでに自分の足もとを探り始めていますし。

 

本能寺の変まで、どのように流れていくのかが少しわかった気がしました。久秀や光秀にも「義」はあったっぽいですね。

 

命がいつ失われるかわからない時代において、誰しも命をかけて伝えたいことはあったはず。当然光秀にもそれはあった。それが明らかになってくる過程で、このドラマのエネルギーを感じました。